容疑者Xの献身
容疑者Xの献身

誕生日にもらった本。
海外のミステリーとは違って(良い意味で)男臭さがプンプンする本でした。これが海外ミステリーなら、もうちょっとヒロインが色っぽく表現されてたんだろうなぁ。

本の帯に書いてある「これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった」
・・・という文は本文からの抜き出しですが、
ゴメンなさい。
多分、女性の読者の方はこのフレーズ、あんまり重きを置いて読まない方がいいかと思います。
男性の方が胸が詰まる想いをするかも。
読み終わった後に表紙タイトルと一輪赤いバラを見たりして。

「泣ける本」というので検索するとこの本も引っかかってきますが、ちょっとその方向とは違うと思います。

それより純粋にミステリーとして読んで、最初は淡々と進んでいくストーリーをただ楽しんでいて下さい。
きっと最後はアタマの中に手を突っ込まれてひっくり返されるような衝撃で終わります。

「犯罪における棋譜の美しさ」と言うものがあれば、まさにこの小説でしょう。
美しく凄まじいミステリーです。


本書を読まれた方だけ↓こっち(多少ネタバレあり)
柴田恭兵で例えると、
海外ミステリーが「あぶない刑事」で、本書は「はみだし刑事純情系」ってとこなんでしょうか?
って、イーカゲンな印象なんですけど(笑)

友人のAから「泣けよ」ともらった本なんですが、私には石神の動機がそれなりに描写してあっても、
あんまり必然とは感じられないんですよね。
もちろん石神の恋が無かったらこの小説は成り立ちませんが。

最後に石神が花岡親子を愛するようになったエピソードがありましたが、もっと中盤くらいにチラっとあったら石神の心の推移なんかも分かったのになぁと、思ってしまいました。
つまり、この小説を時間の推移順に書いていけば(女性向けの)純粋なラブストーリになったでしょうし、そう東野さんが書かれなかったのは(男性向けの)ミステリーとしての表現で本書を書かれたんじゃないかなぁと。


しかし、ミステリーは極上ですね。
石神が最後身代わりになるのは何となく予測できましたが、所詮は素人の推測なんて簡単に凌駕されるものもなんだなぁと、思い知らされました(笑)

超文系の私には数学の美しさなんて想像もできませんが、
緻密に計算されたモザイクを仕上げるように数式(犯罪)を作り上げる緊迫感。
そして完全無欠である故の美しさ。
またそれが弱点とも呼べないような微細な点から、キラキラと崩れていく儚さ。
キチンと計算されて書かれた小説の気持ちよさを求めるなら、本書は万人に開かれています。
モチロン超文系の私にでさえ。





「ジョージ愛と青春のマンダムな日々」のジョージ・アツーシさまからTBいただきました。
ジョージさまのブログはこちらです。やっぱり男の方のが感情移入しやすいエピソードなのかなと思いました。
私が血も涙もないヤツというのを差し引いても(笑)
ジョージさま、ありがとうございました。

2006.01.10 


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